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<破産手続の後、信用情報機関にはいつまで情報が残るのか>【大橋】

  弁護士業務

 事務所の眼下、中之島公園は春のバラの季節を迎えました。

 連日、たくさんの方がバラ園を散策しておられます。

 これは5月14日時点です。

 

2019-05-14 09.12.38 2019-05-11 07.40.30

 

2019-05-11 07.41.33 2019-05-11 07.42.10

 

 さて、前に破産申立の仕事を受けた依頼者から、もう10年近く経つ中で電話があり、「結婚して住宅ローンを組みたいと思ったが、審査が通らなかった。破産したことの情報はいつまで信用情報機関に載るのだろうか?」という質問を受けました。

 

 従来から、そのようなお問合せには「それは信用情報機関やローン業者が決めることだからわからない」と答えてきたのですが、この度、貸金業法及び割賦販売法上の指定信用情報機関である株式会社シー・アイ・シー(CIC)、貸金業法上の指定信用情報機関である株式会社日本信用情報機構(JICC)、そして一般社団法人全国銀行協会(全銀協)のホームページサイトを確認してみて、わかったことを、ここでまとめておこうと思います。

 

 CICのトップページは、こちらです。

https://www.cic.co.jp/index.html

 

 JICCのトップページは、こちらです。

https://www.jicc.co.jp/index.html

 

 全銀協のトップページは、こちらです。

https://www.zenginkyo.or.jp/

 

 CICは割賦販売の業者さんが主体で、主にクレジット・ショッピング関係の信用情報。

 JICCはサラ金系の業者さんが主体で、主にキャッシング関係の信用情報。

 全銀協は銀行が加盟。

 ・・・加盟企業の情報から荒く特徴付けると、こういうことになるようです。

 

 ただ、CICとJICCは、FINE (ファイン : Financial Information NEtwork)というネットワークを作って情報交換をしています。

 

 詳しいことは各HPをご覧いただくとして(相当詳しくいろいろ載せています)、ここでは「信用情報は何年の間、登録・提供されるのか」について、まとめます。

 

 書いていたら相当長くなったので、まず、ネット検索により得た結論を載せます。

 

 破産免責の事実を早く信用情報機関の登録から抹消させるためには、CICとJICCが相互にFINEで連携しているので、両方の登録を抹消させる手続をとる必要がある。

(1)免責許可決定が出たらすぐに、CIC加盟の会社に送付して、CICにコメントを登録するように依頼する。

⇒CICにコメントが登録された日から最大5年でCICの登録は抹消される。

(2)免責許可決定から免責許可の確定までは、約1カ月ほど。「免責許可決定確定証明書」を地方裁判所に申請して取得し、それをJICC加盟の会社に送る。

⇒(知らせるのが遅くなっても)免責許可決定の確定日から最大5年でJICCの登録は抹消される。

ただし、銀行系の信用情報は、破産開始決定から(あるいは破産免責決定から?)最大10年の間は消えない。

 

 以下、ホームページサイトを引用しています。今後情報が更新されることもあるでしょうから、その都度、最新情報でご確認ください。

 

***********************

まず、CICから。

 

https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002583.html

Q:CICに登録されている信用情報は、どれくらいの期間登録されているのですか?

A:信用情報の種類毎に保有期間(登録されている期間)を定め、期間経過後には抹消しています。

*保有期間は、「CICの加盟会員から登録される信用情報」をご覧ください。

*信用情報については、「信用情報とは」で詳しく説明しています。

 

⇒「CICの加盟会員から登録される信用情報」

https://www.cic.co.jp/confidence/posession.html#sst02

この中に、

■お支払状況に関する情報

報告日、残債額、請求額、入金額、入金履歴、異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日、終了状況等

「保有期間」契約期間中および契約終了後5年以内

・・・と書いてあります。

 

https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002585.html

Q:自己破産の登録は何年間ですか?

 

A:当社では、官報情報(官報に公告された内容を表す情報)は平成21年4月1日より収集・保有を中止しており、現在保有いたしておりません。

また、当社で保有するクレジット情報の保有期間は、契約中および契約終了から5年間です。したがいまして、破産の場合は免責許可決定が確認できた会員会社によるコメントが登録された報告日が起算点ということになります。

 

https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre02/002592.html

Q:過去に自己破産をして免責決定を受けましたが、CICで情報を開示したところ免責された残高が登録されたままになっているのはなぜですか?

 

A:契約しているクレジット会社等が免責決定の事実を認識できていない場合があります。

免責された残高が登録されたままになっているのは、破産手続き後に免責が決定した場合、裁判所によっては債権者であるクレジット会社に免責通知をしていないところがあり、そのため、契約しているクレジット会社が、免責決定の事実を知らず、情報を更新することができない場合があるようです。

従いまして、登録しているクレジット会社に対して、免責決定事実を確認できる資料を準備の上、ご相談されてはいかがでしょうか。

 

 

☆☆ これらからしますと、信用情報を早く消して再びクレジットやローンを組みたいと思っている人は、「免責許可決定」を一刻も早く各債権者に送付しないといけないということになります。「免責許可決定」を入手した会員会社がCICにコメントを登録した報告日から5年経つと、信用情報は消える、ということになります。

少なくとも大阪地方裁判所では、免責許可決定を各債権者に送付するという運用はしていないです(破産開始決定の通知を各債権者に送るのも破産申立人に求めているくらいですから)。

 

********************

次にJICCです。

 

https://www.jicc.co.jp/faq/faq_006/index.html

Q:JICCに登録されている信用情報は、どのくらいの期間登録されるのですか?

A:契約継続中および契約終了日から5年を超えない期間です。登録期間の詳細は「こちら」をご覧ください。

 

⇒   https://www.jicc.co.jp/whats/about_02/index.html

「登録内容と登録期間」

▼取引事実に関する情報

内容:債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等

登録期間:当該事実の発生日から5年を超えない期間(ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間)

 

https://www.jicc.co.jp/faq/faq_006/index.html#157

Q:情報の登録や更新のタイミングはいつですか?

A:貸金業法に基づく個人信用情報の場合は、新規契約や登録している情報に変更のあった時から最大で翌日までに情報の更新を行うこととなっています。

クレジットカードについては、原則月1回の更新ですが、タイミングについては加盟会員により異なります。

 

https://www.jicc.co.jp/faq/faq_004/index.html#129

Q:完済情報はいつ消えるのですか?

A:返済が全て完了し、契約が終了した日(開示書の「完済日」または「契約終了日」の日付)から5年を超えない期間となります。

※包括契約(枠や利用限度額のある契約)につきましては、解約日より5年を超えない期間となります。

 

Q:自己破産をして免責が確定しましたが、残高が残ったまま情報が登録されています。どうすればよいですか?

A:対象となる情報の登録会社に対して免責確定の事実を証明できる資料をご用意のうえ、登録会社にご連絡ください。

登録会社が免責確定の事実を確認すると、その債権について免責確定の日付でJICCに完済の報告がされます。

※破産手続きにより免責が確定した場合、債権者である加盟会員(消費者金融会社、クレジット会社等)に対して、必ずしも裁判所から通知があるわけではありません。

そのため、加盟会員が免責の事実を知らず情報を更新することができない場合があります。

 

 

☆☆ これらからしますと、JICCの場合には、信用情報を早く消して再びキャッシングができるようになりたいと思っている人は、「免責許可決定」ではなくて「免責確定証明書」を一刻も早く各債権者に送付しないといけないということになります。免責確定の事実を確認した登録会社は、免責確定の日付でJICCに「完済」の報告をするので、免責許可決定確定の日付から最大5年が過ぎれば、信用情報の登録は抹消されるということになります。

そうすると、「免責許可決定確定証明書」を、手続をとった地方裁判所に申請する必要があります。

書式は、名古屋地方裁判所のものがネットで取得できますので、ご参考までに。

http://www.courts.go.jp/nagoya/vcms_lf/mensekikyokaketteikakuteisyoumeishinseisyo-moushitateninyou.pdf

 

********************

最後に、全国銀行協会のサイトも見てみました。

 

https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/privacy/

「個人情報の取扱い」というサイトに、

*登録情報:官報情報

*登録期間:破産手続開始決定等を受けた日から10年を超えない期間

・・・という記載があります。

 

 

☆☆ 全国銀行協会は、官報情報をチェックしているようです。

それで破産手続開始決定を受けた人をチェックし、最大10年間はその情報を保有し提供しているということになります。

一番長いですね。

 

******************

そうすると、破産免責の事実を早く信用情報機関の登録から抹消させるためには、CICとJICCが相互にFINEで連携しているので、両方の登録を抹消させる手続をとる必要があります。

(1)免責許可決定が出たらすぐに、CIC加盟の会社に送付して、CICにコメントを登録するように依頼する。

⇒CICにコメントが登録された日から最大5年でCICの登録は抹消される。

(2)免責許可決定から免責許可の確定までは、約1カ月ほどのことなので、「免責許可決定確定証明書」を地方裁判所に申請して取得し、それをJICC加盟の会社に送る。

⇒(知らせるのが遅くなっても)免責許可決定の確定日から最大5年でJICCの登録は抹消される。

ただし、銀行系の信用情報は、破産開始決定から(あるいは破産免責決定から?)最大10年の間は消えない。

・・・ということになるようです。ネットによる情報検索では、ここまでです。

 

いずれにしろ、こうした知識は、これから破産申立をお考えの相談者の方や、手続進行中の依頼者の方に、お知らせするようにしようと思います。

調査及び手続のご依頼があれば、別途お受けします。

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