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韓国書籍「最近の韓国の法律書」【金】

  読書

業務上、事務所に韓国の法律書を所蔵し、必要なときに参照しているのですが、書籍の版が古くなり、その間に法律も改正されたこともあって、次の5冊を新たに買いました。

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(左から、宋德洙「第11版(革新版)新民法講義」、金俊鎬「民法講義 第24版」、申昌善・尹南順「第2版 新国際私法」、安春洙「国際私法」、金疇洙・金相瑢「親族・相続法 第14版」)

 

昔は、韓国の法律も、漢字とハングル混じりのものでした。しかし、現在は、漢字の部分の殆どがハングル化されており、法律書もハングルで書かれたものが殆どです。法律書がハングル化している事情について、数年前にある韓国の学者にお聞きしたところ、漢字・ハングル混じりだと、本が売れないので、出版社からハングルだけで出版してほしいという要請があるとのことでした。韓国の民法の大家である郭潤直教授が、出版社による全文ハングル化の要請に強く抵抗されておられたとのことでしたが、教授が高齢となり、お弟子さんと共著となった新版ではハングル化されているようでした。

 

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(当事務所の書棚の一部です。背表紙も、漢字、ハングルのものがそれぞれ混ざるようになりました。)

 

法律書にせよ、別のジャンルにせよ、ハングルでないと書籍が売れないのは、韓国の国民が漢字を読めなくなりつつあるからです。韓国の中学校、高校では、漢文の授業はあるものの、それ以外の授業では、漢字を使う日本と異なり、漢字を使うことは殆ど無いようです。

ただ、韓国でも、法律用語の多くは、漢字をハングルに置き換えた漢字語です。ハングルは表音文字ですので、日本語で例えていうと、すべて「ひらがな」または「カタカナ」だけで本が書かれていることになります。そうすると、文字だけである程度の意味を推測できないので、法律の学習はいっそう難しくなります。昨年7月の日韓バーリーダーズ会議で、ある韓国の弁護士から、現在の韓国のロースクール生は、タブレットを置いて、逐一法律用語を調べながら勉強していると聞きました。

以前から、多くの韓国の弁護士から、韓国のロースクールの3年間で法律を学ぶのは大変厳しいというお話を聞いていましたが、ハングルだけで法律を勉強する難しさがあることも、その理由の一つではないかと思った次第です。

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