2月25日、前からご縁のある中央労働委員会近畿地方事務所の主催する、「労使関係セミナー」にパネリストとして参加してきました。
今年は、場所が京都の同志社大学今出川校地。私も学生時代を京都で過ごしましたし、司法試験の論文ゼミは実は同志社答練に入れてもらっていたのですが、すっかり様変わりでした。
良心館という新しい建物の、広々としていること。地下鉄烏丸今出川駅北出口から直通で入れて、雨にも濡れない。素晴らしい勉学環境だと思いました。
それはさておき、「労使関係セミナー」の今回のテーマは、「職場のハラスメント問題」でした。ハラスメント問題は、近年の労働相談で上位3位に必ず入る、頻発する問題となっています。広い大教室でしたが、ざっと見て200名近い参加がありました。
第1部では、職場のハラスメントの概論を、吉川英一郎・中央労働委員会近畿区域地方調整委員長(同志社大学商学部教授)からパワーポイントで説明。私が若干のコメントをしました。
次に、京都労働局雇用均等室の高江洲洋子・地方機会均等指導官から「セクハラ指針の変更点」の説明。
最後に中労委近畿地方事務所調査官から、ハラスメント被害発生に関して労組から職場環境調整の団交を申し入れられたのに誠実な対応をしなかったとして北海道労委から不当労働行為救済命令が出され、中労委でも維持された「天使学園事件」の説明。
そして第2部は、労働雑誌・判例雑誌に掲載されたセクハラ・パワハラ判決例を材料に、行政・使用者・労働者がそれぞれの立場からコメントを述べるパネルディスカッションでした。
中労委近畿の区域地方調整委員(使用者委員)である古谷光弥さんも「この会社はひどいですね」と言うしかない、痛い会社の例が次々と出てきたわけですが、ハラスメント相談を年間100件は受けているという高江洲さんの以下の言葉は、特筆すべきだと思いましたので掲げます。
「セクハラの相談として受けるものの中で、最も男性と女性とで感覚が違うのが【誉める】と【食事に誘う】です。
男性が女性の服装や外見を誉めるとき、男性としては親近感を持たせるつもりで言っているのでしょうが、女性からすれば快く思わないことが多いです。ここで誤解をよく生じるのです。
また、食事に誘うというのは、男性からすると誘いに女性が応じると、一つのハードルを越えたと思うようなのですが、女性からすれば食事というのは毎日三度三度繰り返す日常の行為に過ぎません。女性が食事ならと思って軽く応じることが、男性からすれば違う意味にとらえられる。
本当に、この2つは誤解を生じやすい危険なポイントなのです。危険なので、しない方がよいと思います。」
セクハラ相談を受ける中で培われる格言のようで、私の頭にも染み入りました。
【誉める】と【食事に誘う】は、男性も注意、される女性も注意、です。
男女をひっくり返しても同じかもしれません。女性も注意、される男性も注意。
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