久々に、ブログを更新しようと思いました。
この5月の連休は、読みかけていた小説を1つ、読み終えました。
「やさしい猫」。親しい弁護士から、昨年10月に紹介されました。
ちなみにこの弁護士とは、10年くらい前に、一緒に「難民不認定処分取消請求訴訟」の代理人をしたのです。
「この本な、夫から『いいよ』って勧められたんやけどな。読んでたら、『あかんあかん、そこでそんなことしたら』ってハラハラしてしまうねん」
ネタバレしないように、それしか「オススメの言葉」がなかったのですが、せっかくなので買ってみました。
読み始める前の3月5日に、「やさしい猫」は第56回吉川英治文学賞を受賞していました。
さらに、帯になんと書いてあるかまでは引用しましょう。
「出会って、好きになった人と、ずっと一緒に暮らしたい。当たり前の幸せが突然奪われたのは、彼がスリランカ出身の外国人だったから。」
もうちょっと私のオススメの言葉を書きます。
1.この小説を読んでいただくと、日本で今、外国人の生活が、日本人が国際結婚をするということが、どういうことなのか、具体的によくわかります。
外国人には「在留資格」がつきまといます。それは入管(出入国在留管理庁)の判断で決められ、在留資格がなくなると入管施設に収容されてしまい、「退去強制処分取消請求訴訟」をしないと強制送還されてしまいます。
収容中は、「いつ出られるか」の期限が決まっていない、絶望を感じるような状況に置かれます。「仮放免」という制度はありますが、これも入管の判断一つで決まります。また、仮放免中は働くことができず、生活保護も受けられず、他府県への移動には予め許可が要ります。
(さらには、この状況を変えないままの「入管法改正」がまた国会上程されるおそれがあります。参議院議員選挙の後の争点となってくるでしょう。)
2.弁護士がよく頑張って、ハッピーエンドですので、安心して読んでください。
モデルとなっている弁護士や、元入管職員の行政書士は、知っている人なので、目に浮かぶようでした。
3.もともと読売新聞の連載小説だったそうで、読んでいて「長いな」と感じました。私が日頃走り読みをしているからかもしれません。
でも、高校生が年下の「きみ」宛に書いた手紙の体裁で進んでいくので、読みやすいです。
・・・小説を読むのがお好きな方、ぜひどうぞ。中央公論新社の単行本で、1900円+消費税です。
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