離婚のために代理人業務をするのは、私の仕事の多くの割合を占めています。
交渉でまとめるか、家庭裁判所に調停を申し立てるか、調停では折り合えずに離婚訴訟を起こすか。
その中で、子どもをめぐる争いは年々熾烈な問題となってきているように思います。
私の弁護士歴も14年満了、15年目に入りますが、10年前といったら、パパは子どもの親権までを争うことはそう多くなく、面会の機会にこだわることもそうありませんでした。
今は、ほぼ全部のケースで、子どものことはママとパパの間で争いになります。
特にまだ子どもが小さいとき、パパは「いちばん可愛い時期の子どもにどうして月1回しか会えないのか!」と怒ります。
(ママが子育てを問題なくやっているために、そのまま親権がママに認められるケースを前提としています。)
間にいる子どもは、どういう気持ちなんだろうか。
私はなるべくそれを知りたいと思ってきました。
離婚が「子供のせい」である訳はなく、一方的被害者なのです。しかも自分を守る力がまだありません。
そんなとき、京都家庭裁判所の待合室に、「おすすめの絵本」のリストが貼ってありました。
早速入手してみましたが、買えたのは3冊でした。
そして中身を読んだのが、買ってから何カ月も経ってから。ようやく宿題を終えた気分です。
絵本のよいところは、子どもの視線で描かれているので、自分が子どもの気持ちになれることです。
どれも、ママとパパは出会わないようにして子どもを引き渡し、受け取っています。
間に立つ子どもの気分は・・
中でも、 「ココ、きみのせいじゃない」という本をご紹介したいと思います。
アメリカの作者の本を日本の家裁調停委員をしている人が翻訳し、解説をつけたもの。
パパが別居して、家が二つになるところから始まります。
この「ココ、きみのせいじゃない」という本は、子どもに読み聞かせる絵本の部分に加えて、小さな字で詳細な解説がママとパパのために書かれているのです。
子どもがどんな気持ちになるか。それをわかってこういう配慮をしてあげてください、ということがたくさん書いてあります。
たくさん買って、依頼者と相手方にもプレゼントしたいくらいです。
まとめ買いをすると割引もあるようですし。。
事務所に読みに来られますか?
『格付けし合う女たち 「女子カースト」の実態』 という題名の本を買って読みました。
カースト、という言葉には、人権とか平等とかいう概念と対極の、生きづらく逃れられない境遇をイメージさせられます。
女子カーストって一体なに?という問題意識でした。
読後感としては、まず、感覚の近さを感じました。著者は女子校出身とのこと。思春期を女子校で過ごした後に大学で遭遇する事態についての書きぶりには、同じく女子校出身の私には「なるほど」感がありました。
それも含めて著者から発せられているメッセージを自分なりに受け取ると、こういうことかと。
「女性は、複数集まったときの格付け基準がいくつもある。社会的地位にしても、自分の職業・地位もあれば、夫の職業・地位もある。結婚しているか否か、子供がいるか否か、子供がどの学校へ行くかもある。それが関係の複雑さを生み出している」
「しかし、女性は平等であることに敏感。格付けを競うよりも平等に付き合いたい。その点、『女子』は様々なカーストを超えた平等な関係を築くツールになるのでは」
いかにも「売らんかな」のタイトルの付け方に比して、中身は(特にメッセージには)共感が持てました。
いわゆる「女子力」がない!と常々思う私ですが、誰でも女子として仲良くできる女子会は好きです。
広く平等に関係を築くことができる『女子』の輪を作って、大きなパワーができたらいいですね!
パワーということでいうと、行政の施策に「女性が不自由していること」への敏感さが足りない。それは女性票が組織化されておらず、有権者の声として圧力になっていないからです。
安倍首相が「女性の活用」を言っていますが、それは妻の多大な影響もあるのかもしれません。しかし世の女性も、黙っていないでもっといろいろ言うべきです。
必ずしも女性議員が女性の味方とも限りません。所属政党の施策には離反できないですから。
政策と人柄をよく見て、有権者パワーを行使しなくては。
もちろん、 『女子』に溶け込める男子も歓迎します。生物学的な性を問いません。
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