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2016年5月の記事一覧


広げていきたい「憲法カフェ」!(大橋)

  講演・講師・発表

憲法カフェ@東大阪amato cafe 2016-4-30 20160430憲法カフェ1@amato cafe 20150430憲法カフェ2@amato cafe

 

4月30日土曜日、外出しないともったいないような、よいお天気の日でしたが、「あすわか」(明日の自由を守る若手弁護士の会)の講師として、東大阪市のamato caféさんが主催した「憲法カフェ」に行ってきました。

 

私にとっては独り立ちデビューでしたので、特に印象深く思ったことを、ここに書きとどめておきたいと思います。

 ひとつは、「憲法は、大人になってから読むとよくわかる」。

 もう一つは、「わかったことは他の人に伝えたくなる」。

 

事前に店主さんがお知り合いに声を掛け、フェイスブックで100人以上を招待していたのでしたが、ママ世代ゆえ、前日でのドタキャンがいくつか。

午後1時半開始で、早めにランチの野菜カレーをいただこうと12時半に行ったところ、まだどなたも・・の状況でした。

それでもボチボチとお知り合いのママさんが子連れでお越しになります。

開始15分前くらいになって、飛び込み第1号の方が。フェイスブックで知ったということでした。

その後も飛び込みで2名来られ、最後は8名参加。

 

8名というのはお互いに顔の見える人数で、よい雰囲気になります。

最初に隣の方と「自己紹介」をし合ってもらい、2分経ったら隣の人を「他己紹介」してもらうことにしています。これでぐっと参加者同士の関係が近くなるのです。

そして憲法クイズを5問くらい。日弁連憲法条文ファイル(1枚事典という名前が付いている)で条文を確認しながら進めます。

条文は、長めの「前文」と全99条しかありませんので、「これなら読み切れそう」な感じはあります。

中学校で「9条の歌」を教わった!と思い出された方もおられました。

そして13条「幸福追求権」、その他の具体的な人権が、憲法に書いてあるということを知ります。

生活に密着しているということが、社会人であるからこそ、よくわかるのですね。

 

それから、憲法カフェで一番大事なことは、「憲法は国民が国家を縛るためのものだと知ってもらうこと」です。

「今の憲法は」というのが正しいのかも知れません。近代立憲主義の憲法です。

しかし、これを聖徳太子の「十七条憲法」、明治時代から太平洋戦争敗戦まであった「大日本帝国憲法」のような、「国家が国民を縛るためのもの」にしようという改憲論があるわけです。

そして、国民に憲法尊重擁護義務が「ない」こと(99条)とその意味を意識していないと、たいした内容の変更ではないと思ってしまいかねません。

 

憲法の条文を改めて読み、これを改正しようとする動きを知り、憲法改正手続(国会議員の発議・国民投票)を知って、参加者の皆さんは、

「さて、これをどうやって身近にいるが関心を持とうとしない知り合いに伝えようか」

と考え込みます。

そして、何かきっかけができれば誰でも関心を持つはずだから、そういう働きかけを工夫してやってみよう、と画策し始めるのです。

近所の人が来ていると、地域での企画を考えてみるとか、人のつながりがその場でできていきます。

 

この夏の参議院議員選挙の結果次第で、既に与党勢力が3分の2を占める衆議院のみならず、参議院でも3分の2の議席で「改憲発議」ができるようになります。

改憲発議があれば、次に改憲についての国民投票が行われます。

国民投票は、国会と違い、【有権者の過半数】が必要なのではありません。

【投票総数の過半数】があれば「改憲OK」と評価されるのです。

極端に言えば、投票に行った人が3人しかおらず、そのうち2人が「改憲賛成」と投票すれば、それで改憲はされてしまいます。

【有権者の過半数】であれば、改憲に消極的な人はあえて投票に行かず、その結果として改憲もされないのですが、実は「国民投票法」は「投票総数の過半数」と決めてしまいました。

改憲発議がされる前に急いで国民投票法を改正しますか? なかなか難しいことです。

国民投票があれば、「改憲賛成」と決めていない人がちゃんと「改憲反対」を示しに投票に行くように、促しますか? これはこれで必要なことですが、大変です。

・・・そういう流れの中で行われる7月の参議院議員選挙(ことによると衆議院議員総選挙も)だとわかった上で、投票しませんか?

 

わかった上で、「改憲OK」と意見を述べるのであればよいのです。それも言論の自由。

しかし、「わからないから投票に行かない」という有権者一人一人の無責任(とあとで子どもたちから言われるでしょう)が積み重なって、改憲へ進んでしまうかもしれない事態であることを、まずは知っておきましょう、ということです。

 

憲法カフェの目標の一つは「知憲」です。まずはせいぜい「あすわか弁護士」を使い倒してください。この7月までに。

私はコンパクトなプロジェクターを買い込みました。どこででも映写ができます。電気は使わせてくださいね。

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